道南西海岸・奥尻島 1990
 
 

 独身時代最後の長旅。鰊の群れを追って北へ向かったヤン衆たちの辿った海へ。 ☆走った日  1990年8月6〜11日 ☆単 独 ☆アプローチ: 列 車 ☆自転車 ランドナー 8/6 特急白鳥の旅  大阪駅を10時過ぎに出る青森行きの特急白鳥(その後2001年に惜しくも廃止)に乗り込む。ホームには フィアンセのM嬢、つまり今のカミさんが見送りにきてくれた。結婚したらもうこんなサイクルツーリング の長旅なんてできないだろうなあ、と思えて今回はひとり旅に出ることに。  一日中日本海を見ながら列車の旅。途中隣に座り合わせた人とよもやま話の花が咲く。青森には夜の11時 頃に着く。ハッピ姿で歩く人たち。ねぶた祭りの熱気の余韻が漂う。函館行きの臨時急行に乗り換えて 海峡を渡り、夜2時過ぎに北海道側最初の駅、木古内に着く。駅の陸橋の中で仮眠、夜明けを待つ。 大阪+++(特急白鳥)+++青森+++木古内 8/7 道南へ  夜が明けて自転車を組み立て走り出す。原野を抜け峠を越え横綱千代の富士の故郷、福島町へ下りる。 そのまま街を抜けると海岸へ出て白神岬へ。人を拒むかのように切り立った海岸は、本州から来た者への洗礼。 蝦夷地は甘くないぞ、と古来無言で語りかけてきたに違いない。     白神岬 松前の町は山側に寺が多い。アイヌ人は墓を嫌うので松前藩は山側に多く菩提寺を建てた、という話が伝わる。 JR松前線が廃止されやや寂しさが漂うが、趣のあるいい町だった。町の背後には大千軒岳の円頂。 次来た時には登ってみたい。 松前を後にして海岸線を北上、江差をめざす。海岸段丘の連続する中、アップダウンの激しい道が続く。     原口海岸 かなりきついコースだったが、開放的で美しい日本海、そして私の横を並んで飛ぶカモメが走る元気を 分けてくれた(^^)     カモメ 江差には夕方に着いた。夕日の似合ういい町だ。港の横に鴎島が浮かぶ。     江差・鴎島     鴎島にて 木古内→渡島福島→白神岬→松前→原口海岸→江差(泊) <本日の走行125キロ> 8/8 奥尻へ!  朝、6時のフェリーで奥尻島へ渡る。船はひどく揺れて甲板は波しぶきに洗われる(^^; 乗客は皆、船室に逃げ込んだ。  1時間半の船旅の後、奥尻港へ。外洋のうねりがウソのように穏やかな入江。 港はログハウス調の屋台が1軒ある他には派手な看板もなく好感が持てる。     奥尻港 まずは海岸を北へ走る。     花咲く海岸 途中、漁港があったので立ち寄ってみた。     宮津港     宮津港にて     宮津弁天岬   小さな岬に立つ御社。背後には海、遠く北海道本土を望む。 約10キロ走ると島の北端、稲穂岬に着く。    稲穂岬    賽の河原/稲穂岬 岬を回りこむと、道の無い島北側の海岸線が姿を見せる。    稲穂岬より   岬から神威山方面へ伸びる地道の林道をたどる。 上りきって奥尻港から幌内へ抜ける峠道に合流。 残念ながら幌内への下りは工事中で通行止めだった。 神威山は自衛隊の基地があるので頂上まで行けないこと はわかっていたが、いける所までいってみることに。 登るにつれて開放的な草原となり頂上に立つ建物が 見えてくる。ただ残念ながら立ち入り禁止の標識が 立つところへ出た。引き返すことに。 神威山峠道 奥尻港へ戻り南へ走る。潮風を受けながら快適なサイクリング(^^) 青苗の手前で右折し島の西海岸へ。前方の無縁島が近づく。    奥尻西海岸 逆光に浮かぶ無縁島。忘れられない風景!    無縁島海岸 神威脇から小さな登りをこなすと幌内温泉に着いた。 部屋が空いていたので泊めてもらうことに。 江差⇒奥尻港→稲穂岬/賽の河原→神威山下→奥尻港→青苗→幌内温泉(泊) <本日の走行75キロ> 8/9 奥尻から島牧海岸 朝一番再び島の南側を半周する。途中青苗では岬の先端へ立ち寄った。 途中自動販売機を見つけ、当時新発売だったジョルト・コーラを買う。 沖合いに平たい小島が浮かぶ防波堤に座ってコーラを飲み干す。 明るく開放的な空間...この時の旅はあの津波の3〜4年前。 あののどかな風景が一瞬にして波に洗われるとは...合掌。 奥尻港から瀬棚行きのフェリーに乗り、昼頃に再び北海道に上陸し、再び北へ... 茂津多岬は断崖にトンネル、厳しい自然。そして3時前に島牧村へやってきた。    島牧海岸と狩場山      漁師町と狩場山...でも残念ながら島牧村は素通り。賀老の滝や狩場山はまた次の機会にしよう。 海岸線を走り、弁慶さんの像が立つ弁慶岬で大きく南へ方向転換。寿都の街に入って宿を探す。 幸いビジネスホテル、いやビジネス旅館に泊まることができた。          幌内温泉→青苗→奥尻港⇒瀬棚→島牧→弁慶岬→寿都(泊) <本日の走行115キロ> 8/10 雨、帰ろうか  朝、小雨がしとしと。今日は積丹海岸へ行く予定だったが、最寄のJR駅、函館本線黒松内駅へ 出て帰ることに。函館本線の山線は往年の幹線の面影はなく、ひなびたローカル線の味わいだった。 長万部、函館と快速列車を乗り継ぎ、青森から急行きたぐに(現在は大阪・新潟間)に乗る。 翌日の朝まで続く長い長い列車の旅。沿線風景をじっくり楽しみ帰阪した。独身最後の旅に満足(^^)  寿都→黒松内+++長万部+++函館+++青森+++ 急行「きたぐに」+++新潟+++大阪(8/11朝着) サイクルフィールド TOPへ

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